【要点解説③】物質を構成する成分【化学基礎】

元素記号
この記事で分かること・要点ノート
  • 純物質が何から出来ているのか
  • 元素記号の成り立ち・注意点
  • 単体と化合物について
  • 単体と化合物の見分け方
元素と元素記号に関する要点ノート
単体と化合物に関する要点ノート

混合物は純物質を混ぜ合わせた物です。では、純物質は何からできているのでしょうか?

これが今回のテーマです。

結論から言うと純物質は元素という物質を構成する成分によって構成されています。

この元素の組み合わせによって、さまざまな性質を持った物質ができています。

化学物質と元素

元素は「元になる素材」という表し、化学物質を構成する基本的な成分です。

元素は全部で120種類ほど存在しています。

そんなにあるの?

でも、120種類くらいって結構アバウトなんだね。

元素は人工的に作れるけど、不安定で数秒も存在していられない物も多いんだよ。

だから、自然界に存在する約90種類の元素の組み合わせが中心になっているよ。

元素は代表的なものだと水素や炭素、酸素、カルシウムなどがあります。

  • 水素は軽く、燃えると音と共に水が発生する気体。
  • 炭素は鉛筆の芯として使われたり、生き物の体を作る上で重要な成分。
  • 酸素は空気の2割を占めていて、呼吸する際に必要としている気体。
  • カルシウムは骨を作るために必要な成分で牛乳などに多く含まれている。

などをイメージすることが多いのではないでしょうか。

元素と聞くとよくわかっていなくても、実は既に聞いたことや知っていることも多いです。

元素と元素記号

元素記号の解説画像

元素を説明するときに外せない要素が元素記号です。

各元素にそれぞれの元素記号が設定されています。

水素は「H」、カルシウムは「Ca」のように、アルファベット1〜2文字で表現されます。

元素記号は色々な化学物質を誰でも分かりやすく、
そして簡単に表現できるように工夫した結果作り出されたものです。

酸素を「O2」、水を「H2O」みたいに

元素記号を使って物質を表現することを化学式と呼ぶよ。


この化学式を使えるようになるとと非常に便利です。

化学式の便利なところ①:書く文字数が激減する!

まずはなんと言っても書く文字数が激減することです。
水の場合は水と書いてもH2Oと書いてもあまり手間は変わりません。

しかし、二酸化炭素の場合はどうでしょう。

漢字で書くと非常に画数が多く、何回も書くのは大変ですが、

元素記号を使うとCO2となります。

漢字で書くよりも早く簡単に表記できる上に、Cが1個とOが2個であることも分かります。

化学式の便利なところ②:言語が違っても化学物質が伝わる!

母語に使われているTOP3は中国語、英語、スペイン語のようです。

もし、違う言語を使っている人に文字で化学物質を伝えるとなると、
「酸素」の場合はそれぞれ「氧」,「oxygen」,「oxígeno」と書かないと通じません。

しかし、化学式で書けば言語の違いを気にする必要はありません。

ただ「O2」と書けばそれぞれの言語で同じ物を連想してくれます。

また文献を読む際でも同様に使えますので、
言語の数だけ物質名を覚える必要がなくなります。

中国語なら漢字だから通じそうだけど、

「手紙」みたいに通じない物もあるから過信できないね。

調べてみたけど、中国語で「手紙」って

トイレットペーパーのことなの!?

元素記号の成り立ち

元素記号の由来の解説画像

アルファベットを使った元素記号には必ず由来があります。

語源が英語ではなく、その原型のラテン語が起源になっているものが多いのが特徴です。

そのため、普通の英単語のスペルからでは考えられない物も出てきます。

例以外では、金Auが挙げられます。

英語名ではGoldですが、由来は「光り輝くもの」を意味するラテン語のAurum。

銅は英語だとCopperなのにCu、

銀はSilberなのにAgなのもラテン語が由来だからだね。

単体と化合物

純物質が単体と化合物に分かれる解説画像

以前の【要点解説①】純物質と混合物では、
化学物質を「混ざっているのか」に注目して混合物と純物質に分類しました。

今回はこの純物質を「化合しているのか」に注目して分類していきます。

化合していない物質 → 1種類の元素だけで出来ている → 単体
化合している物質 → 2種類以上の元素で出来ている → 化合物

と言い換えることができます。

単体

単体のの解説画像

単体は1種類の元素だけで出来ている物質のことを表します。

単体を見分ける簡単な方法があります。

それは化学式(化学物質を元素記号で表現したもの)を確認するという方法です。

試しに簡単な問題を出してみましょう。

次の純物質の中から単体を選びなさい。

(1)黒鉛C  (2)窒素N2  (3)鉄Fe  (4)塩化ナトリウムNaCl

上の純物質4つの中から単体を見つけ出せたでしょうか。

単体なのは(1)、(2)、(3)です。

この答えは化学式にある大文字の数を数えるとすぐにわかります。

3つとも大文字は1個しかないね!

「元素記号の大文字が1個」は「元素は1種類」であることを意味しています。

残った(4)だけは単体ではありません。つまり、1種類の元素だけで出来ていないということです。

単体ではない純物質のことは化合物と呼び、次で解説していきます。

化合物

化合物の解説画像

化合物とは元素と元素が化合、つまり「くっついて」出来た物質です。

(4)の塩化ナトリウムNaClはナトリウムNaと塩素Clから出来ています。

NaClには大文字が2つ入っているね!

そのため、(4)は単体ではなく化合物であることが分かります。

化学式があれば判別は簡単ですが、もし化学式が書いてなくても諦めないでください。実は物質名にもヒントが隠されています。

化合物のほとんどに共通した書き方があるので紹介しておきます。

化合物は「〇〇化□□」のように表現される物質が多く、「□□に〇〇が化合している」という意味です。

「化」が入ってる物質が出てきたらラッキー!化合物ってことだね!

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