今回のテーマは「純物質と混合物」です。
化学基礎で一番最初に学ぶ単元なので、しっかりと確認をしていきましょう!
まず、私たちの身の周りには化学物質で溢れかえっています。
目に見えるものは当然ですが、目に見えない空気なども全てが化学物質です。
自然界にある化学物質は1億種類以上あると言われているよ。
1億以上!?
イメージが湧きにくい数だけど、すごい量だね。
あまりにも膨大な数なので、様々な特徴から分類をすることで性質を理解しやすくしています。
- 混ざっているのか
- 化合しているのか
- 金属なのか
のように「Yes」か「No」で大きく2つに分類することが多いです。
今回は「混ざっているのか」についての話だよ
純物質と混合物
化学物質を「混ざっているのか」で分類する場合を、分かりやすく解説すると
混ざっていない物質 → 1種類の物質だけで出来ている
混ざっている物質 → 2種類以上の物質が混ざっている
と言い換えることができます。
どんな物質かを説明する時に「1種類の物質で出来ている〇〇」と説明するのは大変なので、
1種類の物質だけで出来ている物は純物質、
2種類以上の物質が混ざっている物を混合物と名前をつけました。
純物質の性質
純物質は文字通り、純粋な物質を意味していて、純粋とは「混ざっていない」ことを表しています。
漢字の意味を考えると、単語の意味が分かりやすいね!
純物質は物質ごとに、沸点・融点・密度などの性質が決まっていることが特徴です。
水の場合は沸点は100℃、融点は0℃、密度は1g/cm3です(※1気圧の場合)。
1気圧という条件さえ同じであれば、
世界中のどこの国でも「同じ沸点、同じ融点、同じ密度になる」ということです。
ちなみに密度の1g/cm3は1cm3=1mLで、
「水1mLの質量は1gになる」ってことを表しているよ。
次のグラフは水(沸点100℃)とエタノール(沸点約78℃)を表しています。
どっちも沸点のところでグラフが水平になってるね!
沸騰してる間は全部沸騰し終わるまで温度が変わらないんだね。
その通りだね。
このグラフ上で「水平線がある」っていうのが純物質を表しているよ。
混合物の性質
混合物は混ぜ合わせた物質のことで、文字通り「混ざっている」ことが分かります。
純物質でない物質は全て混合物となり、何種類もの物質が混ざっていても混合物と呼びます。
混合物は純物質とは異なり、沸点・融点・密度などの性質が決まっていないことが特徴です。
性質は決まっていなくても、
ある程度の傾向はあるんでしょ?
そこが難しいところなんだけど、
100℃で沸騰する水と、78℃で沸騰するエタノールを
半分ずつ混ぜた水溶液は何度で沸騰すると思う?
沸点が100℃と78℃の半分ずつなんでしょ?
じゃあ、真ん中の89℃になるんじゃないの?
そう思うよね?
でも実際に加熱していくと、78℃になったところから少しずつエタノールが蒸発していくんだ。
実際にこのグラフを見てみた方がわかりやすいかな。
あれ?
このグラフは直線部分が全くないね!
最初の混ぜた割合ではなくて、その時の割合ごとに温度が変化するから
混合物の沸点を具体的に言えないことがよく分かるよね。
純物質と混合物の分類方法
最後に純物質と混合物を判断する方法についてまとめていきましょう。
問題としてよく出題されるのは以下のようなパターンです。
正解:(1)純物質 (2)混合物 (3)混合物 (4)混合物
(1)の水は沸点・融点・密度が決まっているので純物質となります。
また、先の単元で解説する範囲ですが、水はH2Oとして表されるため、混ざっていません。
(2)は漢字に注目すると分かりやすい問題で、水溶液は「水に溶かした液体」と読めます。
そのため、塩化ナトリウム水溶液は「塩化ナトリウム(NaCl)」と「水(H2O)」の混合物です。
(3)のアンモニア水も文字に注目しましょう。「水」と書いてあるので水を含むことは明らかです。しかし、ただの水ではないので混合物であることが確定します。
具体的には「アンモニア(NH3)」と「水(H2O)」から成る混合物です。
(4)の牛乳は主成分を考えてみましょう。牛乳は液体ですので主体は水です。
そして、ただの水であれば無色ですが、牛乳は白色の液体です。このことから水に何かが混ざっていることが確定します。
具体的には乳脂肪分やタンパク質、カルシウムなどの成分が含まれますので混合物です。
普段は意識しないけど、名前とかにヒントが隠されているのが面白いね。
混合物から純物質を取り出す方法
純物質から混合物を作るためには、複数の純物質を混ぜると作り出すことができます。
非常に簡単で、すぐにできることですが、逆の場合はどうでしょうか。
混合物から純物質を取り出すってことだよね?
分離・精製という方法によって純物質を取り出せるよ。
分離と精製は同じもので、分離を繰り返すことでどんどん不純物が取り除かれていきます。
そのため、精製は「精度が高いものを製造する」という漢字を使っています。
分離と精製はやることは同じでも目的が違うんだね!
次回はこの分離と精製についてまとめていくよ。
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