探究活動の指導法⑦(最終発表)

探究
年間予定
  • 授業前準備
    ①年間予定とルールの設定
  • 初回授業
    ②シラバスの確認とアンケート実施 
  • 授業2回目前
    ③班分け
  • 授業2回目
    ④テーマ設定
  • 授業3回目以降
    ⑤探究活動開始
  • 7〜8月
    ⑥中間発表/中間評価 
  • 11〜12月
    ⑥´中間発表/中間評価
  • 1〜2月
    ⑦最終発表 ←今回
  • 発表後
    ⑧総括、冊子の作成

1年間の集大成

ついに最終発表です。長かった1年間の成果を出す時がやってきました。有終の美を飾れるかどうかがこの発表にかかっています。

ですが肝心の発表の前に、中間発表と同様にレポートとスライドの統合を行いましょう。
前回と違って、今回は最終発表なのでレポートの完成が必須です。基本的な「てにをは」や、敬体と常体のチェックは当然として、内容が理路整然とまとまっているのか、論理展開に無理がないかの確認が必要です。

最終発表は、管理職はもちろん、なるべく多くの教師に見てもらいましょう。どんな発表かを見てもらうことで他の教師の勉強にもなりますし、学校紹介のパンプレットなどでも紹介できるかもしれないので、学校の活性化の面でも有意義でしょう。また、可能であれば他の生徒にも見せられると、お互いに刺激になって良いと思います。

中間発表では司会進行は教師が行いましたが、緊張感を出す意味もあって、最終発表は生徒から司会者を選出しても良いかもしれません。

次年度以降の活動の参考になるように、発表の動画もしっかりと撮っておきましょう。学校紹介での資料や、後輩たちの見本にもなります。

発表時の工夫

良い発表にするヒントとしては、上手くやろうとするよりも「失敗しない工夫を施しておくこと」です。例えば、スライド中に対策したい事柄に対応した工夫をすると事前に発表時に想定されるミスを意図的に軽減できてオススメです。

どんな失敗が代表的かというと、「間を作りたいのに、矢継ぎ早になってしまう」ということではないでしょうか。

緊張をしている中で、敢えて何も発言しない時間を維持するのには相当な慣れが必要です。
自信がないと、それを紛らわすためにどうしても早口になりがちになります。
授業で言えば、自信の無い板書はすぐに消してしまうのと同じかも知れません。

プレゼン能力が非常に高ければ、ただ「気を付けなきゃ」と思う程度でできてしまいますが、学生でそのレベルまで到達している人は稀です。ほぼ存在しないでしょうし、仮にいるならば、こんなプレゼンの根幹であるミスに対してそもそも危機感を持ちません。不慣れでも何とかなるような準備が必要です。

どうすれば事前にそのミスの対策ができるのでしょうか。

それは発表スライドに敢えて情報量の少ないスライドを用意しておけば良いのです。スライドの切り替えには多少の時間がかかります。それを意図的に利用するのです。

例えば、「聴衆に質問を投げかける」という台本を作ったとしましょう。

「どう思いますか?」というセリフだけだと、緊張していれば無言の状況に耐えられず、すぐに次の説明や結論を言ってしまうことでしょう。

ですが、そういったことが様相できるのであれば「どう思いますか?ぜひ考えてみてください」という文章のみが書かれたスライドを用意することで、発表者は「次に何を言えば良いのか」とか「何秒待たなきゃ」といった心配をせずにスライドを読むだけで済みます。

聴衆はスライドも見ているので、自分だけでどうにかしなければならないという状況が解決されます。理想を言えば、アニメーションやタイマーアプリで指定の秒数をカウントダウンすることで、強制的に待ち時間を作り出せると、発表者のプレッシャーは激減することになります。

他には強調したいフレーズがあった場合、そのフレーズだけのスライドを作成することで強く印象付けを行えるなど、テクニックはたくさんあります。上手く自分達の発表が失敗しにくいように対策をしておきましょう。

他にも、よくある失敗は伝えたいことが多くなって発表のセリフが長くなることで、話の順番や接続詞などを間違えることが多くなります。そうなると最終的な発言の意味内容と、スライドに書いてあることが僅かに食い違うことが起こってしまいます。

多少の誤差であれば無理やり押し通すこともできますが、聴衆に違和感を与えてしまいますし、動揺して発表に集中できなくなるというトラブルに見舞われます。

そんなことが起こらないように、スライドに箇条書きで1つ1つ概要を書いておくと、それぞれの話題でカンペが表示されているのと同じことになるので、ミスの確率を減らせます。

ただ、どうしてもミスを0%にすることはできません。ミスをしてしまった時にどうしていいか分からずに、硬直してしまう生徒も出てきます。そうならないように「失礼しました」などの特定のフレーズを良いのかも決めておくと「ミスしたらどうしよう」という恐怖をある程度取り除くことができて良いかもしれません。

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